秀衡塗

「源氏雲」と「有職菱文様」

「源氏雲」という雲の形に、いくつかの菱型の組み合わせで作られる有職菱文様が特徴で、平泉の黄金文化を象徴する工芸品となっています。

 

椀の形

やわらかな丸みがあり、足の部分は高く、末広がりの形をしています。全体として手になじみやすい形です。

 

デザインの力強さと気品

金箔を巧みに利用した朱、黒、金の美しいバランスと大胆な文様には、力強さと気品が漂い大切なお客様のおもてなしに最適です。


秀衡塗の歴史

平安末期の12世紀、奥州藤原三代の最盛期であった秀衡の時代に、金色堂造営のために京都から招き入れられた工人達によって、金箔をちりばめた豪華な椀が作られました。それが秀衡塗の起源であると伝えられています。

「秀衡塗」という呼び名は、明治以降につけられたもので、江戸時代までは「秀衡椀」「南部塗」などと呼ばれていました。

生産の中心は、平泉や近隣の奥州市など県南地方にあり、今も脈々とその技術が受け継がれています。

秀衡塗は、昭和60年5月に国の伝統的工芸品として指定を受けています。


お手入れ方法

使用後は、長く湯水につけておかないで、洗って柔らかな布で水気を残さず拭き取って下さい。

汚れを取る場合は、熱湯を避け石鹸水で洗って下さい。クレンザー等はお避け下さい。

埃はいきなり拭かず柔らかな布で埃を払い落してからお拭き下さい。

直接日光にさらされていると色が変わったり形がゆがむ事がありますのでお避け下さい。

絹布は動物性で繊維が硬いため擦傷がつきます。お避け下さい。

タワシ・スポンジ等はお使いにならないで下さい。

食器洗浄機・電子レンジ等にはご使用にならないで下さい。

 

漆の匂いが気になる場合

新しい漆器の匂いは、ぬるま湯で洗ってから乾拭きし、布巾に薄めた酢をつけて、内側を拭いて下さい。風通しの良い場所に置いておくと漆の匂いは取れます。

匂いが取り切れない場合は米櫃の中に数日間入れるとなくなります。

 

保存する場合

漆器の艶を保つには、筆等で埃を払い落した後に柔らかな綿布で拭いて下さい。包む場合も柔らかな布を使用して下さい。

日光の直射のない部屋、場所で保存して下さい。


浄法寺塗